「風俗女子 卒業を考えよう」

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「卒業を、決めなさい。」

私が、この言葉をオーナーから投げかけられた時、心臓がバクバクと音を立てているのを感じた。

『デリヘルの面接に来ただけなのに…』

その後のデビュー日やプレイ内容などの説明を受けても、全く頭に入らなかった。この頃、すでに風俗業界15年のキャリアがあり妊娠・出産を経て再スタートをしようとしている頃だった。

『まだまだ、私、やれる。』

そんな自信過剰さがプンプン漂っていたのかもしれない。

風俗業界が長いと独特のオーラみたいなものが出ていて、一般女性のように振る舞うも逆効果が起き、周囲になめられないように必死に強がっている状態だ。

『まだ入店したばかりなのに、もう卒業を決めるのですか。』

私は、なめれらないように、目で訴えた。

オーナーは、そんな私を察して、優しく教えてくれた。

『人生は、逆算なんだよ。どうなりたいか。本当は、何をしたいのか。人生の最終地点をまず決めてから、そのために何をすれば良いのか。何が足りないのかを考えるといいよ。』と。

その言葉を聞いて、私は全てが腑に落ちた。そして、風俗業界で人生の最終地点までを教えてくれる事に、大きな感動を覚えた。

過去の自分が、今の自分をつくっている。これからの未来も、自分でつくり上げていく。

『自分の人生は、自分で決められる!』

決めていいんだよ、と承認をもらった気がした。

その日から、私は風俗業界の卒業について深く考えるようになる。いつまでも、出来る仕事ではない。誇りをもって仕事している以上、しっかり効率よく稼いで、しっかり学ぶ事が大切だと思った。

『学ぶって、楽しい。』

自らが成長しようとしている事を認め、自らの成長に喜びを感じる。そこに、頼るものはなく、全くの一人の世界。

自然と、引き寄せられるように良質な仲間に恵まれ、お客様の質も良くなった。

『お客様は、鏡ですよ。』

口数の少ないオーナーの言葉に、胸が熱くなった。

卒業の時期は適当に決めてはいけないが、途中で見直す事も大切だ。現に私は、数回の見直しの末、卒業をした。

それより、卒業を決めないで仕事を続けている方が、卒業からどんどん遠ざかってしまう。金銭的な事、家庭の事情、様々な不安がある。けれど目に見えない不安、まだ起こってもいない不安に押しつぶされてしまうのは、面白くも楽しくもない。

人生は一回勝負。人との縁を大切にし、1度きりの自分をたくさん愛したいと思う。愛される自分になりたいと思う。

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